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無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

朝日ソノラマはなぜ鉄腕アトム主題歌を独占できたのか(32)

芸能音楽 昭和テレビ特別寄稿 テレビ主題歌史

 引き続き昭和42年放送開始のテレビまんがを見ていきます。

 

かみなり坊やピッカリ★ビー

 「かみなり坊やピッカリ★ビー」は、これも朝日ソノラマのシートと、コロムビアのレコードが発売されました。

 但し、まったく同じ内容ではなくて、OP主題歌の他の歌は、コロムビア盤はB面の歌が「ピッカリ・ビーはいいな」という歌で、ソノラマの方は「雲のドライブ」という違う歌が収録されています。

 本放送時、ピッカリ★ビーにはエンディングが有った事は判明していて、そこでは「ピッカリ・ビーはいいな」を編曲した歌無しの音楽が流されていたようです。

 つまり、正統盤はあくまでもコロムビアという事で、実際にエンディング画面でも、コロムビアのみが表示されています。

 

 しかし、不思議なのはエンディング主題歌の歌手です。

 画面では、歌手名がOP主題歌と同じ天地総子になっています。しかし、実際のコロムビア盤では、歌っているのは真理ヨシコです。

 現存するエンディング映像は、放送当時のキューシートと照らし合わせると30秒ほど足りないので、もしかしたら天地総子の歌唱がここで流れていた可能性も有ると、DVD解説で原口正宏が書いています。*1

 確かに、そうとでも考えないと非常に不可思議な事です。

 

 真理ヨシコについては、ビクターからも音盤を出していた時期が有りますが、多くはコロムビアからでしたので、この時にはコロムビア専属だったのかもしれません。

 それでソノラマは、もう一曲の方は独自に作ったのではないでしょうか。

 天地総子の方は、キングからが多かったような印象がワタクシには有りますが、テイチクで『怪獣王子』を出したり、このようにコロムビアからも出したりと、ほぼ間違い無くフリーだったのでしょう。

 

パーマン

 『パーマン』はお馴染みのTBS・日音楽曲で、しかも、あの超特大ヒットの『オバQ』に続く作品ですから、非常に沢山の音盤が出されました。

 コロムビアのレコードとソノラマのソノシートは当然として、ビクター、勁文社、ミュージックグラフ、エルムからもシート音盤が発売され、ソノラマとビクターは第二集も出し、コロムビアはレコードの他にコロシートも出しました。

 また、提供の不二家からも『オバQ』同様に景品シートが配布されましたが、これは『オバQ』の物と比べるとかなり残存数が少ない感じで、人気も安定していたので広告費が少し抑えられたのでしょう。

 ちなみに、不二家のシート配布はこれが最後となります。

 

 謎なのは、「パーマン2号はウキャキャのキャ」という歌です。

 主題歌「ぼくらのパーマン」と組み合わされた歌は「すてきなパー子」で、それからわずか2ヶ月後に、ソノラマやビクターが前記の歌を用いての第二集を出しているのです。

 『オバQ』が桁違いに売れて、次々と新しい歌を作っても出す毎に売れていたので、『パーマン』でも二匹目のドジョウを狙っていたのでしょう。

 ですが『オバQ』と違い、『パーマン』の新曲はここで止まりました。不二家の件といい、やはり『オバQ』は桁違いの物で、不世出のヒットだったという事でしょう。

 

 「パーマン2号は~」の作曲は、かの筒美京平です。

 世に出て割とすぐに歌謡曲で大爆発してしまうため、彼のテレビまんがの歌は決して多くはありませんが、翌年には『怪物くん』で早くも主題歌作曲家となりますし、後には、かの国民的主題歌『サザエさん』を産み出します。

 国民栄誉賞を存命中に受賞すべき彼の、テレビまんがでの足跡は、テレビでは恐らく流れた事が無いはずの、件の抱き合わせ歌で始まったのでした。

 

 また、この歌は東芝が、ドラマ収録と組合せてレコード発売しました。

 自社所属の歌手による『エイトマン』の時から、テレビまんが音盤にはまったく乗り気でなかったと思われる東芝が、いよいよテレビまんがの音盤にも乗り出してきたのでした。

 しかし、なぜ主題歌も組み合わせずにこのような地味な歌から始めたのかは、つくづく謎です。

 とにかく、『オバQ』の超特大ヒットによって、既存レコード会社の重鎮たちにも、テレビまんがをやらないという選択肢が無くなっていったのでした。

*1:かみなり坊やピッカリ★ビーDVDBOXアニメデータ集(青林堂ビジュアル)

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