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無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

朝日ソノラマはなぜ鉄腕アトム主題歌を独占できたのか(25)

 昭和41年放送開始テレビまんが音盤の話に戻りましょう。

 『レインボー戦隊ロビン』は東映動画制作で、これまでであれば朝日ソノプレスの独占販売となっていたはずです。

 しかも企画したスタジオゼロは、朝日ソノプレス独占の虫プロ手塚治虫を崇拝する漫画集団トキワ荘の面々、オバQ藤子不二雄らの集まりでした。

 そうした人的繋がりの面から言っても、朝日ソノプレスには一日の長が有ったはずです。

 

 そして、まず奥付日付の昭和41年4月に、朝日ソノプレスよりソノシートが発売されました。

 ところがそれより3~4ヶ月経った頃、コロムビアがレコードで発売。同時にビクターもシートを発売しました。

 更に、コダマプレスとソノレコードもシートを発売します。

 もう、昭和41年になると、ソノラマだけが独占でテレビまんが音盤を発売するという事は、かなり難しい情勢となっていたのでしょう。

 少し穿って、出遅れたレコード会社が、実弾攻勢を仕掛けだしたのではないかとワタクシは考えています。

 

 橋本の記述*1でも、オバQ音頭の時に小学館の担当者がそういう攻勢を仕掛けられて辟易する描写が有りますし、橋本自身も、受け入れはしなかったものの、そういう攻勢を受けていた事を書いています。

 ソノラマもいい加減、かなりの枚数を独占で販売し続けており、日音などの動きが出て来たように、業界全体として、あまり良い目では見られていなかったでしょう。

 それやこれやで、ソノラマのテレビまんが完全独占体制は、瓦解しました。

 しかし、この『ロビン』では、かろうじて他社盤の販売を数ヶ月遅らせる事には成功しています。

 恐らくですが、それがそれまで独占契約をしてきたソノラマにとって、ギリギリの妥協点だったのではないかと思います。

 

 更に『ロビン』は、2クール(半年)経ってパルタ編と呼ばれる話が一段落して物語展開が変わってから、主題歌も変更されました。

 テレビまんがの開始主題歌がわずか半年で変更になるというのは初めての事でしたが、その新主題歌については、ソノラマただ一社が音盤化しています。

 展開が変わる時にソノラマの方で主題歌の変更を働きかけたのではないかとワタクシは思いますが、定かではありません。

 とにかく『ロビン』は、とうとうソノラマの独占が切れた東映動画作品ではありますが、まだソノラマの顔も立っていたと言えます。

 

 続く『海賊王子』は、シートがソノラマ、レコードがコロムビアという両者によって音盤発売されました。

 この両者によるこの住み分けは、かなり長い間続いていく事となります。『ジャングル大帝』で破られた均衡が、その後にも影響していたという事でしょう。

 この頃はレコードとシートは販売網にも違いが有り、それ程お互いを敵視していなかったものと思われます。

 

 この頃、テレビまんが作品自体はそろそろ飽和状態となり出していて、出せばなんでも売れるという時勢ではなくなっていきました。

 朝日ソノプレスの村山実は、この『海賊王子』あたりから、以前に比べて実売数が減ったなあとか、売れないものもあるんだと感じるようになったと回想しています。*2

 飽和状態になった以外にも、テレビまんがの熱気が減算される情勢が生じていました。

 子供向けのテレビ番組に新たな革命が起きていたのです。

 ゴジラ円谷プロがテレビに怪獣を持ってきた『ウルトラQ』が、この年の正月から始まっていたのでした。

*1:鉄腕アトムの歌が聞こえる』橋本一郎少年画報社

*2:1960年代 懐かしの漫画ソノシート大百科(レコード探偵団)

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