無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

挿しす世相史「ケネディ大統領がキューバへの船舶の海上封鎖実施を宣言」

 昭和37年10月22日(月)19時(現地)、アメリカのケネディ大統領が自国民に対してラジオ・テレビ向け演説をし、ソ連によるキューバ援助はアメリカに対する攻勢と見做すと非難、対抗措置を発表しました。

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 それによれば、既にIRBM(中距離弾道ミサイル)基地が完成しており、核兵器を運べるジェット機も到着しているとの事でした。

 そして、かねてソ連が述べていた”キューバへの援助は防衛的なもの”との言葉が虚偽であったと非難し、七項目の措置を発表。更には全面報復も辞さないという、非常に強い姿勢での会見となりました。

 その措置には船舶海上封鎖というものが第一に含まれており、この事が、これまでの人類史上で最も核保有国同士の本格的衝突、核戦争へと近づいた”キューバ危機”の呼び水となりました。

 

 直前の段階では、大統領は何を発表するのかという不安が入り交じった憶測が飛び交い、”緊急事態宣言”が出されるのではないかという話も、まことしやかに囁かれていました。

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 折しもアジアでは中国とインドの国境紛争が予断を許さぬ情勢となっており、世界大戦や核戦争が、非常に現実味を帯びていた時期でした。

 

 昨今、北朝鮮への対応を巡るトランプ大統領の言動から、第二次朝鮮戦争間近かという話もまことしやかに流されるようになりました。

 歴史は繰り返すと言いますが、季節までが殆ど一致している事に驚愕します。

 思えば湾岸戦争も平成3年の1月の事であり、更に遡れば大東亜戦争昭和16年の12月と、アメリカは年末年始に軍事的緊張を持ってくる癖(へき)が有るのかもしれません。

 

 

*1:昭和37年10月23日付読売新聞夕刊

*2:昭和37年10月23日付読売新聞