挿しす世相史「三億円事件が発生する」
昭和43年12月10日(火)9時20分頃、東京都府中市栄町の市立第九小学校前あたりで、現金2億9430万7500円を積んだ日本信託銀行国分寺支店の現金輸送車が略奪されるという事件が発生しました。
後に”3億円事件”として認知され、日本犯罪史上でも随一と思われるような騒がれ方で語られ続けている大事件でした。
犯行の様子などは、様々な媒体で発表され続けている著名な事件ですので省きます。
この事件がこれ程までに騒がれた、そしていまだに扱われ続けているのは、その当時としては桁外れの金額だった事も大きいですが、何よりも、たった一人でこれだけの事を成し遂げ、しかも結果的には一人の怪我人も出さず綺麗に犯行をやり遂げたといった、一種の英雄視のような見方が成立しやすかったという事が有るでしょう。
しかも、結局は時効が成立し、現在までも完全犯罪が続いているという状況で、色々と想像力を掻き立てられるというのが、今でも関連した話が創作されている事に繋がっています。
*1:昭和43年12月10日付読売新聞夕刊