挿しす世相史『日本初の民間テレビ放送が開局』
昭和28年8月28日(金)、日本初の民間テレビ放送局である、日本テレビ放送網(NTV)の開局式が執り行われました。
官のNHKとのテレビ第一号合戦は、お互いの面子を懸けて激しく行われ、予備免許取得はNTVが大方の予想を覆す形で一号となったものの、肝心の本放送開始の方はなかなか進まず、準備期間はNTVより長かったNHKテレビが、同年2月1日に既に第一号として開局しておりました。
日本テレビは、この雪辱を果たすべくカラー放送に関してはNHKを凌駕する取り組み姿勢を見せ、見事に先導的役割を果たしていくこととなります。
このようなNHK対NTVの対抗意識は、昭和時代を通してしばしば火花を散らしました。
国民行事として民放側も大人しく見守るような形だった紅白歌合戦の裏番組に、真っ向から打倒紅白を謳う番組を置いたのもNTVでした。
しかし、そもそもの出自からして、実は日本官僚対アメリカ民間勢力という図式が内在されていたという見方もできるのではないかと思います。
*1:昭和28年8月28日付読売新聞夕刊