無駄じゃ無駄じゃ(?)

すべては無駄なんじゃよ

酒とバカラの日々「マックギボンズ レッドリボン」

競馬

第42回 エリザベス女王杯

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 クロコスミアが入ってくると読んだまでは良かったが…

 惜しいな。あとはモズカッチャンとミッキークイーンだろ。

 先週2000円プラスだったのだから、今週は予算を増やして、もう少し網羅すればイケた可能性高いぜ。

 うーん… 逃がした2万円は大きい…

 

 

マックギボンズ レッドリボン 

 1000円級スコッチ歴訪、マックギボンズの卷。

 と言っても、1000円級は基本的には、似たような味なんだな。

 非常に甘いベースが有って、それが濃いか薄いかの差。

 で、コイツはその薄い方。べーすというか、全体に薄い。コクが無い。

 

 と思ったのはストレートで一口飲んだ時で、それはコクが無いと言えば無かったのだが、その分、飲み易いとも言えた。

 アサヒスーパードライを飲み易いと好む人間が多いように、むしろこういう引っ掛かりが無い物の方が、より多数には好まれるかもしれない。

 困った逆転現象だが。

 原材料に粋を凝らした物の方が受けが悪いなんて、どうにも狂った話だ。

 

 尤も、これに関してはそんな高尚な話でもないだろう。

 べつにウケを狙ったわけでもなんでもなく、単純に安酒を造っているだけなんだと思う。

 でまあ、ストレートだとワタクシにも付いていけたわけだが、ロックにしてみたら印象がガラリと変わる。

 甘み… ワタクシはこれが本当に苦手なのだが… が、凄まじく前面に出てくる。

 

 いや~。安スコッチのこの味、本当に苦手。

 何をキーモルトに使うと、或いはキーグレーンに使うと、この味が出てくるのだろう。

 まず~。これはストレートで飲んだ方が良いな。

 ただ、それはワタクシの場合で、多くの人はロックで甘口の方がお口に合うと思う。

 

 

挿しす世相史「東京裁判の東条英機被告らに絞首刑判決」

 昭和23年11月12日(金)15時50分、極東軍事裁判により、東条英機被告ら25名のA級戦争犯罪人に対し、判決が下されました。

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 結果、以下の七名が絞首刑と宣告されました。(当時年齢)

 

 その他、元内大臣 木戸幸一、元首相 平沼騏一郎ら16名に終審禁固刑が、元外相 東郷茂徳に禁固20年が、元外相 重光葵に禁固七年の刑が、それぞれ言い渡されました。

 

 GHQ統治下の状態という事も有り、新聞紙面はこれら断罪された人々に、弁護めいた言葉は一顧だにしていません。”『侵略戦争は犯罪である』という高遠な新判例を人類平和のために記録したのである”と総括しました。

 当日の新聞を見ると、訴因表や罪状判定が細かく載っており、資料検証としては欠かせない物となっています。

 

 

*1:昭和23年11月13日付読売新聞

恥痴呆談「トランプ日韓中歴訪」

Gさん(仮名)「トランプ大統領の日韓中歴訪はどうでしたかね」

ごいんきょ「壮大なる予算と時間の無駄遣いが過ぎ去ったかという感想しか無いね」

 

G「と、言いますと?(苦笑)」

ご「だって、トランプって便宜上”大統領”って呼ばれてるだけで、現実的には何もしてないじゃない」

 

G「でも、機嫌を損ねたら懲罰措置は発動されてしまうでしょう」

ご「就任して10ヶ月も経つのにまともな法案を一つも通していない、通せない人間が、急に何を出来ると言うのかね」

 

G「じゃあ、トランプさんはこのまま何もせずに四年間過ごすんですか(笑)」

ご「それも有るかもよ~(笑)。大統領職から降ろすって、かなり難しいだろうからねえ。ま、ロシアゲートの行き先次第で激変する可能性は有るけれど。

  とにかくアメリカの議員・官僚連中は勿論、国民すらどんどん離れだしているこの状態で、あれだけ尻尾を振った安倍晋三は物笑いの種だな。面倒な思いをしたくないお坊ちゃん気質がなせる業だよ」

 

G「トランプさんの支持層は、30%よりは絶対に下がらないと言われてますね」

ご「そうかもしれないけど、30%そこそこの支持じゃまともな事を押し通すなんて事はできないだろうよ(笑)。わしは彼の減税政策を心配していたけれど、想像を超える拒否反応のお陰で、それも杞憂に終わりそうだよな。

  ただ、そういう状況だからこそ軍事力で民衆を惹き付けなければという発想になる可能性は有るからな。こちらは要注意ではあるが」

 

G「最近、北の方は大人しいですよね」

ご「理由は二つ考えられるんだよな。

  一つは、いよいよ中国の党大会も終わり、あまり習近平を怒らせる事は真の危険に繋がりかねないと自重しているのかもしれない」

 

G「米中合意でも、北の完全非核化が謳われてましたけど」

ご「中国もどこまで本気なんだか。だって、有り得ないぜ、今さら北が核を手放すなんて。それでいて中国が本気で非核化を目指しているのなら、それは軍事的恫喝という選択肢を採るという事だな」

 

G「中国が北を攻める?」

ご「それは有り得ないから(苦笑)。ま、アメリカが北を攻める事を黙認するという事だな。少なくとも、そういう姿勢をちらつかせるという事だ」

 

G「それでも自分たちから核は手放さないですよね?」

ご「そりゃそうだ。だから戦争の可能性は18%と言うんだよ。アメリカも中国も何も出来ず、時が過ぎるまま北が漸進していく。今までの繰り返しだ」

 

G「じゃあ、米中合意なんて意味無いって事じゃないですか」

ご「そうだよ。意味が有ると思ってたの?(笑)

  だから冒頭でいきなり結論出しておいたろ(笑)」

 

G「そう言えば、北が大人しい理由として考えられるもう一つとはなんですか?」

ご「ほら。最後の核実験の後、北が数回、地震に襲われたろ。あの後、目立った動きが無くなったから。

  地下施設に重大な影響が有ったんじゃないの」

 

G「その辺は、もう少し様子を見ているうちにわかってくるでしょうけどね」

 

 

テレビ主題歌音盤史 ~子供向けドラマ編~(25)

紅い稲妻

 くれない三段蹴りを必殺技として持つ女性空手家・松村奈美が、行方不明の父を探して沖縄から上京し、悪の組織と戦うというものです。

 ブルース・リーによる空手ブームを先駆けた内容でしたが、時代を先取りしすぎて、受けなかったようです。

 

 主題歌は堀江美都子が歌い、当然、コロムビアから発売されました。

 沖縄出身の上原正三が脚本、及び主題歌作詞を担当し、作曲は大塩潤という名義の渡辺岳夫です。

 フジテレビ系土曜19時の番組ということで、裏番組でやはり渡辺が音楽を担当していた『巨人の星』をやっていたという訳で、名義を替えたという事のようです。

 

 

魔女はホットなお年頃

 毎日放送・NET系土曜19時半枠は、『奥さまは魔女』と『かわいい魔女ジニー』を交互に放送していましたが、そこに”和製魔女シリーズ第一弾”として始まりました。

 主役は新藤恵美で、人間に変身した姿で崖に落ち、失神していた所を医師に助けられたキツネのコンコという役どころです。

 

 その医師の医院に住み込む事となったコンコが、魔法も使いながら活躍するという、一連の魔女コメディーの流れを踏襲したものとなっています。

 主題歌は新藤恵美が歌い、彼女が所属していたビクターのRCAレーベルから音盤化されています。

 

 

千葉周作 剣道まっしぐら

 北辰一刀流を興し、江戸随一の剣術流派とした、千葉周作の若き日を描いた子供向けドラマで、TBS系月曜19時半のブラザーミシン提供・ブラザー劇場の一作です。

 岩下志麻実弟である岩下亮が主演を務めました。

 姉の志麻と、二人の父親である俳優の野々村潔が、撮影所を訪れて一同に差し入れしたりもしました。

 

 主題歌は三波春夫が歌い、彼の所属するテイチクからレコード化されています。

 

 

昭和唱和ショー「糠床」

Gさん(仮名)「今の人には読めないでしょうねえ、記事題」

ごいんきょ「”ぬかどこ”だな」

 

G「そもそも糠ってなんですかね」

ご「そこからだよなあ。もう若者だと、田舎の人間でも知らないかも。

  簡単にわかりやすく言うと、米の皮だな」

 

G「ん? 米の皮?」

ご「先ず、米は籾殻に包まれてるよな」

 

G「ああ、ああ。はい」

ご「籾殻を剥いた状態が玄米よ」

 

G「はいはい。健康に良さそうな」

ご「でも、味はやはり白米の方が洗練されてるだろ。だから精白という行程を経て、玄米を白米にするわけ。田舎の道々に、たまに精米器が有るんだけど。あれって米を精白する機械ね。あれで玄米から米の皮を取ったものが白米」

 

G「すると、米の外側には籾殻が有って、殻を剥くと中の米の周りに皮が有ると」

ご「ピーナツでもそうじゃない。米に限らず穀類ってそういうもので、その本体の周りから削ぎ落とされた皮が糠だ。米から取れれば米糠」

 

G「精米器にかけると白米が出てくるんでしょ。皮の部分はどうなってるんですか、あれ」

ご「糠としてどこかに保管されるようになっているはずだよ。場所、機械によっては米糠として無償配布もしてる場合が有るし」

 

G「そんなカスみたいなもの配布して貰い手が居るんですか」

ご「田舎では、まだ自宅で漬け物をやっている人もいるんだろうなあ。うちの親父も田舎者だったから、漬け物が好きでな。自分で糠床を作って色んな物を漬けてたよ」

 

G「今じゃ日本人も漬け物というと殆どキムチですけど、糠漬けでキュウリとか人参とかを食べるのが多かったですね、昭和時代は」

ご「今じゃせいぜい浅漬けだもんな。それも浅漬けの素を使って(笑)。昔はその家その家で糠床が有ったから、漬け物は家庭の味だったな」

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G「臭いんですよね、糠とか糠漬けって(苦笑)」

ご「ああ。だから昔は音痴が歌うと、その臭い糠が更に臭くなると揶揄して”ぬかみそが腐る”なんて言ってたもんだが」

 

G「”ぬかみそが腐る”というのも、かなり懐かしい表現になってますね(苦笑)」

ご「若い奴はもう言わないだろ(笑)。糠味噌も下手したら知らないくらいだろうからな。

  あと”糟糠の妻”なんてのも有るが、これはたまに使われるな。特に政治家の奥さんとかに”糟糠の妻”という言葉がよく使われるけど」

 

G「”糟糠”というのは米かすと米糠のことですね」

ご「ああ。米の本体ではないものだから、貧しい食生活を象徴した言葉。”糟糠の妻”というのは、そういう若い貧しい時からの夫婦って事で、長く言うと”糟糠の妻は堂より下さず”。貧しい時から苦楽を共にした女房を追い出したりはしないって事だな」

 

G「それだけ日本人にとって米や糠が身近だったわけですよねえ」

ご「今じゃ糠床ある家なんかかなり減ったろうし、そりゃ”糠味噌が腐る”なんて言葉も無くなるよな」

 

 

*1:昭和45年3月26日付読売新聞

新しい地図の発布と禁断ボーイズ再始動

72時間ホンネテレビ

Gさん(仮名)「元SMAP三人組のAbemaTV番組が放送されましたけど、どう感じましたか」

ごいんきょ「うーん。まあ、あんなものかなという感じかな。森くんと会ったのは当たり前というか、絶対にやらねばならない事と思っていたけど、実現して良かったね。あれだけでも価値が有ったろう」

 

G「三人のネット活動に関してはどうですか」

ご「YouTuber草彅に関しては、ちょっとまだテレビを引き摺ってるなと。勿論、面白ければいいんだけれど、今の時点ではYouTuberが作る面白動画の方に分を感じるね、わしは」

 

G「具体的に言いますと?」

ご「一人で勝負してないよね、まだ。彼の真価を量るには、まだ早いかな」

 

G「YouTuberって面白いんですかね」

ご「殆どが一人でやっている訳だから、当たり外れは大きいけど。

  でも、面白い時は面白い。少なくとも地上波放送みたく余計な人間とか出て来ないから、集中して見られるのよ」

 

G「当たりって、どんなのですか?」

ご「そりゃ人それぞれだろう(苦笑)。

  ただ、丁度YouTuber草彅に洗礼を浴びせた傑作動画が出てたぞ」


【驚愕】美顔グッズ全種類使ったらイケメンになれるんじゃね!?

 

G「すげ(笑)。面白い(笑)」

ご「最後の部分は、草彅がやっていた地デジCMのパロディだな」


【CM】草彅剛 - 地デジ推進CM 30秒

 

G「なるほど~」

ご「しかも、一本満足バーのパロディにもなっているという」

 

G「はいはい(笑)」

ご「更には、例として出ているYouTuber連中も、それぞれネタになってるんだよね。色々と完成度が高いんだよ、これ(笑)」

 

G「マホトさんは面白い動画とつまらない動画の差が激しいとPDRさんも言ってましたが(笑)」

ご「そうだね。わしにとってはツマラナイ動画の方が多いけれど、これは大ヒットだったな。

  だけど一番評価しているのは、”YouTuber草彅”への洗礼になっている点だな」

 

G「と言いますと」

ご「ほら。ジャニーズって、ネット上では画像管理が異常に厳しかったろ。その辺で、本当に風通し良くなったならこれは通すよなという、マホトなりの探りというか、距離感を量る意味も有るんだろう。

  君たち、どこまで本気なの?と」

 

G「週刊誌の表紙とかでも型抜きされますもんね、ジャニタレは」

ご「わしは、あれが本当に異常だと思うし、それを異常だと声を挙げないカスゴミ連中にも絶望しているのよ。検閲か!

  ああした異常な状態でしか掲載させないなら使いませんと言える所は無いのかよ。本当にカスゴミは滓で塵になったよな」

 

G「出版不況というのも大きいんじゃないですか」

ご「これは土曜の恥痴呆談で扱うべき内容だけど、今、ハリウッドでセクハラ問題が噴出してきている。アメリカですらようやくという感じなんだけど、でも、セクハラを看過してきた連中も叩かれ始めている。

  日本のカスゴミは、それでいいのか? 歴史に裁かれないか?

  ネット時代になって、昔の曲がった常識が通じなくなっている事に早く気付かないと、傷が深くなるぞ」

 

G「まるでジャニーズ関連でもセクハラが有って、それをありとあらゆるマスコミが看過してきたみたいじゃないですか」

ご「あ。そう聞こえたかな。それは心より謝罪します。

  とにかく、SNSはさせないだとか、脱退した森を空白のように扱うだとか、そういうイビツな事はこれから通じなくなっていくだろうし、また、そう有らねばならないという事だな。

  この企画を実現させたAbema側と飯島女史を称えておくよ」

 

 

禁断ボーイズ復活

G「時期を同じくして、禁断ボーイズも活動再開を表明しましたね」


ご報告

ご「まさかドサクサに紛れたってわけじゃないんだろうけど(笑)。

  彼らにもマホトが絡んでるんだよな(笑)。活動休止していたかれらを、”拉致”という形でムリヤリ自分の動画に出してやって、前から有った企画に出るのかどうかと詰問するという。YouTuber同志、なかなか麗しいなと思ったよ。

  それはいいんだけど、ちっとも新しい動画が出ないんだけど。すぐに再開できる状態でないのに発表したのは、却ってファンを心配させるだろう。すぐに新しいの出せよ。メサイアの彼女どうなった(笑)」

 

G「いっくんは、まだ早いのではないかというのがあなたの見解でしたよね」

ご「まあな。わしの意見としては、騒動の当事者であるヒカル、ラファエル、いっくんは年内いっぱい休止して、他のVAZ所属者はすぐにでも活動再開しろというものだから。

  禁断も、いっくんを除く三人で取り敢えず盛り上げていればいいと思うんだよ。昔のドリフだってそうしてたろう」

 

G「一部のメンバーに不祥事が有った時、残りのメンバーだけでやってましたね、そう言えば」

ご「まあ、残りの三人が、いっくんがいなければやる気無いというのなら仕方無いんだけど。その場合は、やはり全員が年内いっぱいくらい休止すべきとは思っていたけど。

  でも、行くと決めたならもう行けよ。中途半端が一番良くない。面白い動画を出し続ける事でしか挽回なんかできないぞ」

 

G「ヒカルさん、ラファエルさんも年内いっぱいという意見ですか」

ご「そうだけど、シバターがなんか余計な事をやらかしてるよなあ。あんなやり方だと、いつまで経っても再開できないぞ。アイツは二人を復帰させないようにしてるのか(苦笑)」

 

G「どうなんでしょうねえ(笑)。彼なりに一生懸命考えた結果なんじゃないですか」

ご「シバターの案なんか無視していいから、年が改まったら心機一転、やり直せよ。ヒカルやラファエルの動画が無いと、YouTubeが単調で困る。どいつもこいつもテレビショッピングみたいなのばかりで、それってテレビでも電波の無駄遣いと思っていたのに、なんで自由度の高いネットで猫も杓子もあればかりなのかね」

 

G「基本、企画力とか要りませんもんね、商品紹介なら」

ご「安直に金を稼げるからな。企業案件も取りやすいだろうし。だから見て面白いというものではないものが異様に多い。

  早く遊楽舎店長との絡みを再開してくれ。わしはカードなんか全く興味無いのに、あのやり取りは見ていて面白いんだから。あの店長を発掘しただけでも、ヒカルのネット動画での貢献度は計り知れず大きいものが有るんだよ」

 

 

漫画投句「ブラックジャック(手塚治虫)」

ごいんきょ「先日、元手塚番記者三名が集まったトークショーに行って来たんだが」

 

Gさん(仮名)「トークショー目当てなんだか、後の飲み会目当てなんだか(苦笑)」

ご「いやいや(苦笑)。

  しかし偶然というのは恐ろしいもんで、今、色々と部屋の整理をしているのだが、そうしたら出て来たのよ。奥深く仕舞っていたチャンピオンコミックスブラックジャックが」

 

G「ほぉ~。そういうのって、ついつい全部読み返しちゃいますよね(笑)」

ご「そうなんだよ。それで片付けの手が止まって、捗らない捗らない(苦笑)」

 

G「チャンピオンコミックスの『ブラックジャック』って、最初の頃は”恐怖コミックス”って括りなんですよね。本当は腕利き無免許医、但し手術料はべらぼうに高いという医者が主人公の、人間劇なんですけど」

ご「ああ。恐らく、手術描写とかを抜き出して、わりと売れ易いような文句を考えた結果なんだろうけど。同じ秋田書店のサンデーコミックスでは、楳図かずおの『怪』とかの怪奇漫画がけっこう売れたみたいだからな」

 

G「手塚先生の漫画なら、黙っていてもそこそこ売れるでしょう」

ご「いや。それが、ブラックジャックを始めた頃は落ち目だったのよ。その辺の事は上記レポートで書いたけど」

 

G「崖っぷちだったからこそ、今まで出さなかった最後の引き出し、医学博士としての知識を漫画にしたんでしょうね」

ご「そうだろうな。そして、それが見事に図に当たったな。わしも毎週のように涙しながら読んだもんだ。よく読み切り連載であんなに長く続けられたと、それだけでも驚嘆するよ。

  上のトークショーに出演した一人の橋本一郎氏が、手塚の漫画には自身の境遇が反映されていたりすると『どろろ』などを例に解説していたけれど、正に『ブラックジャック』にもそういう描写が有ったな」

 

G「どの辺ですかね」

ご「ブラックジャックは大金をせしめて手術するけれど、その金をどうしているかという話が有ったろ」

 

G「はいはい。たしか島を買っていたかと」

ご「島を買って、その島の自然を保護しているみたいな話だったよな。つまり、ただ大金を掻き集めているのではなくて、それを理想のために使っているという感じ。

  これって、手塚自身もそうだったろ」

 

G「確かに、稼ぎまくってましたよねえ、手塚さん(笑)。仕事を断らないって言われたくらい、最盛期には全誌に書いてたんじゃないですか」

ご「それで大宅壮一が、華僑ならぬ”阪僑”と、半ば蔑称として呼んだんだよ。関西から来て関東で稼ぎまくっていると」

 

G「なんで、あんなに描きまくってたんでしょうね」

ご「という質問が、上のトークショーの質問コーナーで出てたんだ。で、三人の編集の方々は、口を揃えて、とにかく描きたかったんだと。描きたい事がいっぱい有ったんだと回答してたけど。

  それも絶対に間違いではないけれど、あと、アニメーション資金を作るという、非常に大きな目的が有ったと思うのね」

 

G「ああ、なるほど」

ご「手塚は、とにかく最初からアニメーションを作りたかったし、漫画家と言われるよりアニメーターと呼ばれたがったなんて話をするアニメ編集者もいる。とにかくアニメーションに関する思いは半端ではなかったよな」

 

G「日本初のテレビアニメ『鉄腕アトム』は、他社が参入できないようにわざと制作費を安く売り込んで、足りない分は彼の漫画の稼ぎで補っていたといいますね」

ご「そうそう。足りない分は私の原稿料で出しますから大丈夫って感じで。実際、そういう事も多々あったろうし。

  つまり、大宅壮一らから”阪僑”だなんだと半ば軽蔑されながら稼ぎまくったお金で、自身の理想、夢であるアニメーションの世界を作っていたわけだよな」

 

G「なるほど。ブラックジャックも、強欲医者みたいによく貶されてますよね、作中で」

ご「あれって、間違い無く、”阪僑”って揶揄されていた自身を投影させていると思う。そして、ブラックジャックにも金を稼ぐ理由が有って、彼の理想、夢の世界を保持するために使っていたというね」